圧縮と解凍について、改めて学んでみませんか?

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LHAについて

日本人製作の圧縮ソフト

ZIPもそうだが、やはり日本としてはLHA、もしくはLZH形式の圧縮ソフトについての話をしておかなければならないだろう。ちとら氏のプログラマーとして世間で知名度を上げているが、こちらはまだ日本でそこまでパソコンがまだ一般に普及している時期とはいいがたいころに誕生した、日本人が開発した圧縮ソフトが『LHA』となっている。このプログラムを開発したのは2人おり、このLHA形式のプログラムの礎となった理論は『奥村晴彦』氏で、その奥村氏が開発した理論を参考にプログラムを組み上げたのは『吉崎栄泰』が開発したものとなっている。日本では90年代というパソコンが日本に輸入されたときから登場して、多くのユーザーにとって馴染み深いものとして利用され続けている。

これも特筆すべき点なのだが、それ以上にこのプログラムを製作した吉崎栄泰氏という人物がどのような人間だったのかについても、意外な職業についていた。プログラマとしてその素質はあったのかもしれないが、吉崎氏は純粋にプログラマーとして活動していたわけではなく、本職は何と『医師』ということだ。注目を集めるという意味では十分すぎる材料だろう、奥村氏が発表した理論を参考にして初期モデルとなる『LHarc』を公開したことによって大きな反響を集めることとなり、それまで全く顔を見たこともないような二人がこうした出会いを境に、奥村氏との交流を続けて吉崎氏によるソフトの根本の改良に時間が当てられたということだ。

それから初期モデルの名称を現在で言うところのLHA変更すると同時に、ネット上の多くのボランティアの協力もあって開発を進めていった。やがてWinだけでなくMacにまでそれが利用できるように整備されていくと、日本国外のユーザーにまで知られ、利用されるようになっていく。フリーウェアとして世界的にその影響力は絶大なものとして評価されることになったことで吉崎氏は1991年にフリーウェア大賞を受賞するなどの目覚しい功績を残すことに成功するのだった。

誕生の経緯として

LHA、またはLZH形式が誕生した頃、1988年頃には丁度パソコン通信技術やフロッピーディスクなどが登場したことにより広く浸透した、データのやり取りが主流の時代に重宝していた。その後様々なOSに移植されて発展を続けていくことに成功し、日本のみならず海外ユーザーにも英訳したマニュアルを作成して広く利用されていくようになる。ここまで発展するきっかけになった理由としては、その頃配布されていたZIP形式アーカイブを作成するために必要なPKZIPが有料のシェアウェアだったこともあった。つまり、多くのユーザーが無料で利用することが出来るソフトとして、LHAならびにLZH形式が流通するようになっていった。

開発したソフトが世界的に認められて順風満帆といった風に取られるが、元々役職を持っていた医師としての仕事が忙しくなったことで、吉崎氏自身が開発した事実上活動停止と成っており、その後に発表されたものは全てその他のプログラマーによって製作されたものとなっている。仕方のないところだが、普及しただけでも十分に凄い功績を残したといえる。

ただ公開したソースコードや仕様などを元にしたアプリケーションが沢山存在しているわけだが、それが後にある危険性をもたらしてしまい、LZH形式を使用しない方が良いという警鐘を鳴らさなくてはならない出来事が起こった。

LZH使用中止の発端

この原因となったのはLZHの対応ツールの1つでもある『Unlha32.dll』を製作した作者は、アンチウィルスの多くに悪意ある改ざんしたLZHアーカイブを正しく検疫できないケースが存在することを見つけ出し、セキュリティーベンダーといった機関に然るべき報告として提出するのだった。ただその後の対応としてはあまり対策が進行していないため、なるべく使用しないように越したことはないとして、利用をする場合には自身で出所が明確となってる、正規のヘッダを出力するモジュールを用いてアーカイブを作成するだけに留めておく程度にしておいたほうが良いとまでいわれている。

またこうした世間での動きにより、日本の国内大手ダウンロードサイトのベクターではLZH形式での新規受付を中止するなどして、対策を行なっている。

業界シェアとしては

こうしたセキュリティ的な面で問題が顕著になったことも影響しているが、その他にも後に登場する圧縮ソフトと比べた場合にそれらの方が圧縮率が下回る、また暗号化機能がないなどの不便さが生じるといったところで、使い勝手さが出てきてしまうという。その後ZIPがWinやMacのOSの特定OSには圧縮復元機能が内蔵されるなど、日本としても世界としても圧縮ソフトとしてZIPがより上位に立ち始めるようになるといった傾向になっていった。そのため、LHA形式はよほどの理由などがなければ利用される事はまずないとまでとられる様になり、特別な理由がない場合にはZIPを利用した圧縮形式が一般的になっている。

解凍は日本流の言葉だった

圧縮したファイルを展開することを『解凍』すると呼んでいるが、この解凍という言葉はそもそも日本流で作り出された物だというのをご存知だろうか。そのため、一般的な意味では解凍というより、展開、もしくは伸張といったしっくり来るという。解凍はLHAのマニュアル内で使用されていた用語が一般的に浸透したことで登場した物となっている。普段何気なくパソコンの圧縮を利用していると、何を気にすることなく利用する解凍という言葉は、日本人が作り出した物となっている。こうして掘り返してみても、色々な情報がわんさかと出てくるので、新鮮さを感じるには事欠かないのでいいことである。